トランスジェンダー、ノンバイナリー、在日朝鮮人、入管被収容者、非正規滞在者、障害者、セックスワーカー、野宿者、女性、周縁化された様々な人々への、暴力と差別をやめろ!

アイヌ民族の先住権・自決権を認めよう!
大学に奪われた先住民族の遺骨を故郷にかえそう!

 2019年の「アイヌ施策推進法」は、アイヌ民族を「先住民族である」と認めたにも関わらず「北方領土は日本固有の領土」という国家の主張は続き、アイヌ民族の先住権・自決権はいっさい認められていない状況はかわっていません。そもそも、この日本が「北方領土」と呼ぶ地域で行なわれた虐殺や強制移住が行なわれ強制収容所がつくられた事実など、どれほどの人が理解しているのでしょうか。
 近代天皇制日本国家はアイヌ民族の大地を奪い、くり返しの強制移住によってコタンを破壊し、生活を崩壊させました。鹿猟や鮭漁を禁止して、農業に向かない土地において農業を強制することで生存の危機に追い込み、言語と固有の文化を奪い、アイヌ民族を「滅びゆく民族」とする民族抹殺(同化)政策を推し進めました。
 アイヌモシリ(人間の大地)の侵略・植民地支配を正当化するために、国家と学問は結びつき、侵略の歴史は消され、優生思想をはじめとした差別を広めつづけてきました。優生思想の根拠としておこなわれたもののひとつが、人類学者によるアイヌ民族をはじめとする遺骨略奪と差別研究です。
 政府は2020年に白老の「民族共生象徴空間」の開業を強行しました。その開業を前に、略奪されたアイヌ民族の遺骨が、12大学から「民族共生象徴空間」内にある「慰霊・研究施設」へ収容を強行され、国家管理を受けています。国は「受け入れ体制が整うまでの間の適切な管理を行うため」であると述べていますが、「地域返還ガイドライン」で遺骨返還申請に対し様々な条件を付け、「慰霊・研究施設」からコタン(故郷)への返還を事実上不可能にしています。さらに「慰霊・研究施設」にアイヌ民族が慰霊のために訪れても、遺骨との面会を拒否されている状況があります。
 その一方で、2017年に、日本人類学会・日本考古学協会・北海道アイヌ協会3者による「これからのアイヌ人骨・副葬品に係る調査研究の在り方に関するラウンドテーブル」最終報告書が出されました。学者たちが遺骨略奪・差別研究を続けたことの反省が記されることはまったくありませんでした。そして表題が示すとおり、今後も「アイヌ人骨・副葬品」の「調査研究」を続ける準備でしかありません。
 ピリカ全国実・関西は、2012年に「阪大・人骨問題の真相を究明する会」とともに2013年に「京大・アイヌ民族遺骨問題の真相を究明し責任を追及する会」とともに遺骨返還を求める申し入れ行動を開始しました。京大はアイヌ民族の遺骨を「人類学資料」と呼ぶ差別発言を繰り返しています。両大学とともに「政府にしたがう」として、話し合いを拒否し続けています。2022年9月21日の京都大学総合博物館にいたっては、民間警備会社を使って警察に通報し、話し合いを妨害しました。京都大学には、アイヌ民族だけでなく、琉球民族・奄美人が遺骨返還を申し入れおこない、2019年にはアイヌ民族、琉球民族、奄美人の遺骨返還の申し入れを共同でおこなっています。また2018年12月には「琉球遺骨返還請求訴訟」が京都地裁に提訴され、昨年4月21日に金関丈夫ら研究者が盗掘という不法な手段で遺骨を収集したことには一切触れず、遺骨は「学術的、文化的にも貴重な資料」と決め付け、請求棄却という不当判決をおこなわれました。そして控訴審が昨年の9月14日に大阪高裁においてはじまっています。
 遺骨略奪と差別研究を反省することもなく、今後も遺骨破壊を前提としたDNA研究や安定同位体比検査を問題とも思わない差別研究を継続しようとする大学や研究機関の植民地主義を弾劾し、遺骨返還運動への支援・参加をお願いします。

文責:きむらけい(ピリカ全国実・関西)

きむらけいの文章の画像
PDFで一括ダウンロードのバナー

TOP